台風がやって来た。
暴風雨は大好きだ。
雨粒の一粒一粒が弾丸で
この部屋を吹き飛ばしてくれたらな・・・
などと思う。
そして眠い眼を引きずる自分を叩き出して
そのまま強い風で宙に舞い上げてくれるのだ。
空ではくるくるくるくる目が回って
色とりどりの世界がくるくるくるくる回って
やがて知らない国の知らない島へと
吹き飛ばしてくれる。
そこで高い木の枝なんかに引っかかって
誰にも発見されることなく
ぶらぶらと不気味な果実となって
たぶんそこでまた眠る。
次の台風がやってくるまで
ポタリポタリと錆色の体液を流して。