口の中からポロポロと
僕のネジがこぼれ落ちてきた
慌てふためきうろたえる僕を
人は冷ややかに見下ろしていた
両手でひとすくい分のネジを拾い集め
僕はただ途方にくれる
どこへいけばいいのかわからないまま
僕はゆっくりと排水溝に身をすべり込ませた
生温かい泥水に流されて
たどりついたのは海辺のスクラップ工場
もうたぶんダメになってしまったこの体を
僕はここへ捨てていこうと思った
ネジももういらない
こんな体でも 四角く小さく潰されて
他のポンコツの鉄屑と交じり合って
君のいる街の柱なんかに生まれ変わって
そっと君のそばにいられたら
そんな淡い夢を抱きながら
何年も潮風にさらされ続けた僕の体は
スクラップにされることもなく
やがて全身 赤錆で覆われた置物になった
そしてある嵐の夜だった
僕の体は強い風にあおられ
ぐらぐらと傾き地面に叩きつけられた
僕の首はその衝撃でもげ
ゴロリと鈍く転がった
空洞と化した僕の体に吹き込んだ風が
ヒュウヒュウと不気味な音をたてていた