死にぞこないの唄
ダメ人間の妄想。 どうでもいい日常。 by armlessdoll
http://shellbeach.in/

湿った死

渇いた情熱は

ひび割れた素肌を隠し

まだ見ぬ悪夢を待つばかりで


日照りの背徳は

溢れる汚水に身を浸し

澄んだ空気の香りに泳ぐ


どこまでも醜く

どこまでも晴れやかな笑顔の果てに

いつしかポタリ滴り始めた

不能という名の生臭い安らぎ


湿った死が僕を待っている

昨日捨てられた想いの中で

か細い腕で陽の光を遮って

湿った死が僕をじっと待っている




  1. 2006/11/08(水) 12:19:54|
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朝焼け

朝焼けがあまりに赤く鮮やかすぎて
ふとこの世の終わりを思わせる
駆け巡る頭の中には
いったい何が違うのだろう
いったい何が足りないのだろう
いったい普通とはなんだろう
いったい何が何が何が違うのだろう
いったい何を言えばいいのだろう
いったい何を伝えたかったのだろう
遠ざかるばかりの感情
白い記憶の中で
まるでマボロシのように
そっと微笑んで
そっと俯いていた
潮風の音を思い出して
凡庸さを認識出来るばかりの
自意識の沼に溺れ
深緑色の絡みつく藻は
せめてもの同情めいた慰めで
濁った目に映る冷たい冷たい声
窓の外から眺める暖かい暖炉にはじける
文字と文字の剃刀
朝焼けはいつしか雨に変わり
しとしと響く耳に独り



  1. 2006/09/11(月) 06:19:49|
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印刷工場の非常階段

脳みそを溶かしてしまいたいので
ひとりお酒をグビグビあおってみるも
一向に脳が溶けてくる気配がないのは
自我が四六時中ニタニタと笑うからだ。
街中に溢れる憎むべき通俗さは
いつもこっそり僕のポケットに隠されていたのだ。
失われた時間が厚く巻かれた包帯の奥から
まるでミミズのように這い出てくる。
盗んだ言葉で身を飾り
守らることのない約束を積み上げ続ける日々。
印刷工場の非常階段。
やわらかな錆に包まれる緩やかな埋葬。



  1. 2006/09/03(日) 21:38:43|
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クマのロッキー

私のかわいい クマのロッキーは
いつでも私だけに 微笑んでくれるの


私の憂鬱を 背負ってロッキーは
パチパチ燃えるの 黒こげに燃えるの

だけど

耳だけはロッキー 残してあげるね
いつでも私の 声が届くように

ねぇロッキー 私の声が聞こえる?

私の声が聞こえる?

ねぇ?

ねぇ?



  1. 2006/08/24(木) 01:21:53|
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アイミーマイン パラノイド

安っぽく悟ってはすぐに忘れる。
積み上げられた古雑誌の黄ばんだ山みたいに俺。
そこらじゅうに転がる予兆の種に
タバコの煙を噴き掛けては退屈な因果に従うだけの俺。
テレビの向こうでは刃物を振り回し
自宅に火を放ち、幼女を連れ回し
他人の善意をそ知らぬ顔で掠め取り続ける俺。
酔ったスーツ姿のくたびれたサラリーマンの
道端に吐いた痰に俺。
自分の認識するすべての世界の歪みは俺の歪みで
目をつむって耳をふさいで何も知らないふりで
棺桶のようなこの部屋に隠れているだけの俺。
たまの思いやりは思い上がり。
髪の毛に絡みつく自己嫌悪。
忘れる側と忘れ去られる側の忘れ去られる側で
いつも何かを忘れてる俺。
エサをやり忘れたペットの犬が部屋の片隅で
とうもろこしみたいに干乾びて動かない。
玄関では誰かがチャイムを鳴らす。
ふと忘れさられ自らも忘れようとしていた
自分という存在を暴力的に不愉快な高音で
呼び覚ますチャイムの音。きっとあれだ。
葬儀屋の出張の火葬のサービスの呼び出しだ。
火葬車の不規則な重たいエンジンの音がする。
焼いてもらおうか。自分自身を。
けれども焼け爛れる病んだ俺の皮膚から
立ち上るであろう悪臭に満ちた煙は
きっと近所迷惑な大気汚染となるだろう。
そんな理由で死ぬこともままならない。俺。
俺、俺、俺。俺という言葉を忘れてしまいたい。
みんなに忘れ去られてしまうその前に。俺。



  1. 2006/06/27(火) 12:27:42|
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